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こんな相談もありました
話すよりもまずは心をゆったり
落ち着かせたいあなたへ。
相談例は、広報誌『聴く』から掲載しています。
※相談者様のプライバシーは守られます。
「もう限界、職場でいじめにあっている」
発達障害を持っている。コロナで職場の人もゆとりがなくなった。皆イライラして弱い人にストレスを発散しているように感じる。
「もう限界、職場でいじめにあっている」
「もう限界、職場のこと…いじめにあっている」から始まりました。
発達障害を持っている。職場の人も知っていると思う。コロナで職場の人もゆとりがなくなった。皆イライラして弱い人にストレスを発散しているように感じる。これまでそんなことをしないと思ってた人まで無視するようになった。話しかけてもあっちへ行けと言われショック。うつの症状も出てきた。何をするにも気力が湧かない。
発達障害と10年前に診断され、医者から「個性と思いなさい」と言われたが、何もできない自分が分かっただけで以前と何も変わらない。自分はコミュニケーションはできるし、普通に働けると思っている。ただ、普通の人と同じペースに合わせるのがやっとで、毎日仕事から帰ってくるとヘトヘト。半端じゃない。最近疲れがたまって、何もする気が起きない。
給料はもらっているが何でも物価が上がり、節約のため、今年の夏は猛暑だったがクーラーは我慢、お米も高いので安い食パンにジャムをつけて食べている。スーパーに行くと一杯買い物をしている人がいて、うらやましいと思ってしまう。そんな自分が恥ずかしくて外に出るのも嫌に。休みの日は家に引き籠っている。死んだ方がいいかなとか、生きている意味があるのかと、この頃考えるようになった。自殺していく人の気持ちが分かる。
同じ発達障害の仲間が障害年金のことや生活保護の相談にのってくれたが、窓口に行くと働いているからダメだとか、障害年金の手続きは1年位かかると言われた。これ以上何も考えられない。身体も悲鳴をあげていて、そろそろ限界かなと思っている。色んな相談窓口に電話をしているが相談員さんから解決策がなく、どうしようもないと言われる。
「今日は一杯聴いてもらって少し気持ちが軽くなりました」と話され、思わず「何もできないけど一緒に考えることはできます」と応えていました。
「さびしい気持ちがおさまらない・・・」・・・男性との対話
妻と結婚、妻の連れ子の非行、考え方の相違で離婚、娘とも疎遠になった。自分ではどうしようもなかった。
さびしい気持ちをなんとかしてくれないか。
「さびしい気持ちがおさまらない・・・」・・・男性との対話
「さびしい気持ちがおさまらない・・・」と60代と思われる男性。最初は言葉少なく、誰とも話をすることがない、今日は心療内科へ行き、ご飯を食べ、近くにできたお店にも寄って疲れた、という。
しばらく日々の生活のことを聴き、心療内科に通っているというので、つい「先生には、さびしい気持ちのことなどお話しているのですか」と聞いてみた。すると、「ここではさびしい気持ちをなんとかしてくれはしないんだ」と言われた。
「何とか?」
「みんなそうだ。他のところに行くといのちの電話に電話してみたらという。ここでは、医者に聞いてみた?と言われる。どこに行ってもさびしい気持ちはどうしようもない」と。
どきっとした。専門医にかかっていることで、こちらが安心したかっただけの問いかけで、切られてしまっても仕方ないと思った。
「なぜ、そんなにさびしい気持ちになってしまうのか」を尋ねると、
「あなたは私の話を聴く覚悟はありますか」
「そのつもりで聴いていました」というと、そこから妻との結婚、妻の連れ子の非行、妻と考え方の相違で離婚、娘との疎遠など長い電話になった。自分ではどうしようもなかったと。
「自分ではどうしようもできない事情で、つらい別れになってしまったのですね」さびしい気持ちがどうなったかを聞くことはできなかったが、さびしさと怒りのような感情を受け取り、ただ聴くだけで電話を置かせていただいた。
きっとさびしい気持ちはなくならないだろう。ただ、その気持ちを吐き出すこと、人と話をすることで、少しでもさびしい気持ちが何とかなってくれたら、と終わってからも心に残る電話でした。
「私なんて生きている価値もない人間だ」・・・女性との対話
高校生の頃、こころの病を発症し、以来30年余病気と闘って来た。結婚して娘に恵まれたが離婚してしまった。
私は生きていても何の役にも立たない。生きていても迷惑をかけるだけ。
「私なんて生きている価値もない人間だ」・・・女性との対話
新潟にしては珍しく晴れて、冬の陽射しが柔らかく感じられる昼下がりでした。「あ~。繋がって良かった。繋がらなかったら又お酒を飲んでしまうところだった」の第一声でした。40代と思われる女性からの電話でした。
高校生の頃、心の病を発症し、以来30年余病気と闘って来た。でも、もうくたびれ果ててしまった。今までの人生で、ただ一度も楽しかった事なんてなかった。結婚して娘にも恵まれたが、離婚してしまった。私なんて生きている価値もない人間だ。私は生きていても何の役にも立たない。私が生きていれば周りの人達に迷惑を掛けてしまうだけだ。私なんて死んだ方がいいのだ。私の事なんて誰も分かってくれない。夫も分かってくれなかった。医者も分かってくれていない。私の病気はもう治らないのではないか。これから先どう生きて行けばいいのか。娘は思春期で反抗期だ。今の生活を支えてくれている母はもう高齢である。不安で、苦しくて、辛くて、寂しくて、ついついお酒に手が伸びてしまう。でも、今日は電話が繋がって話が出来たので、お酒は飲まないでいられるかもしれない。
少し投げやりな抑揚の無い話し方で語られた心の内。返す言葉も思い付かず、ただひたすら話を聴き続けました。
しばらくの沈黙の後、「でも、私が死ぬと娘は悲しみますよね。母が泣きますよね。二人に迷惑が掛かりますよね。やっぱり私、生きたいです。生きたいと思います」少し力の込もった声で電話は終わりました。
「もう無理、もう嫌だ、こんな生活・・・」・・・女性との対話
交際している男性にDVを受けている。お金も渡している。親友に言うと「いいかげんに目を覚ましなよ」と突き放された。もう消えてしまいたいとベランダに手をかけたが、そのままとどまり以前電話した「いのちの電話」にかけてみた。
「もう無理、もう嫌だ、こんな生活・・・」・・・女性との対話
冬の深夜に1本の電話をとると、若い女性のか細い声でした。
「マンションの…、10階のベランダにいる…」
「もう無理、もう嫌だ、こんな生活…」
もう少し話をきかせてほしい、ベランダから離れて室内に戻りませんかと声をかけますが、風の音だけが聞こえます。どうか切れないでと願いつつ、耳を澄ませ、時々声を掛けながら待っていると、ポツリポツリと話し始めてくれました。
交際している男性にDVを受けている。無職の彼に1万、2万とお金を渡し、気づけば50万円ほどになってしまった。昨晩もお金を渡すと出て行ったきり、連絡がつかない。つらくて親友にLINEすると「いいかげんに目を覚ましなよ。いつまでそんなクズに依存しているの」と、突き放されてしまったとのこと。もう消えてしまいたいとベランダの手すりに手をかけたけれど、やはり怖くてそのままとどまっていた。以前リストカットしたときに電話した「いのちの電話」にかけてみた、ということでした。
寒さと悲しさで震える声に耳を傾け、どのくらい時間が経ったでしょうか。ふと彼女がつぶやきました。「きついけど、あったかい親友なんですよ…」そしてその直後「カア」と鳴き声が響きました。
「あー、カラス?ベランダで朝になっちゃった…」
先ほどの凍りついたような口調とは違って、自分を思ってくれる親友がいて、その人の気持ちに温められた心がつぶやいたような声に感じられました。
ほどなく「部屋に戻りますね」と電話は終わりました。その後彼女がどうしたか、彼とどうなったのか、知ることはできません。でも、一晩踏みとどまり、少し前を向いてくれた力を信じ、彼女の幸せを願い続けています。
「学校に行くのがこわい・・・誰にも相談できない」・・・10代女性との対話
「私、悩んでいるんです・・・」
「同級生からひどいいじめにあっていて、学校に行くのがこわいんです。でも心配かけるのがもっとつらいので、お母さんにもお姉ちゃんにも相談できないんです」
「学校に行くのがこわい・・・誰にも相談できない」・・・10代女性との対話
「私、悩んでいるんです・・・」声を出すと泣いてしまう。それを一生懸命に抑えながら、とぎれとぎれに話していく。
「今、高校2年生です。同級生からひどいいじめにあっていて、学校に行くのがこわいんです。でも、心配をかけるのがもっとつらいので、お母さんにもお姉ちゃんにも相談できないんです」
中学生の時に父親の暴力がひどくなった。夜、父親が荒れると、姉は友達のところに逃げ出してしまう。彼女は外に出て、一人で時間を過ごしたという。
家で苦しい時に、学校でいじめが始まり、完全不登校になってしまった。けれども、高校に行きたかった彼女は一生懸命に勉強して、高校に合格できた。
「私、がんばって、がんばって勉強したんです。合格して嬉しかったのに。それなのに、また、学校に行くのがこわくなったんです。また、行けなくなりそう。私、くやしい。生きるのが苦しい。死んでしまいたい」と話すと、こらえきれずにとうとう泣き出してしまった。
泣き終わり、気持ちが落ち着くと、また話し始めた。
ずっと緊張しながら、懸命に生きてきた彼女の聞き取りにくい一言、一言を聞き逃さないように、耳を傾け話を聴いた。
「今まで誰にも話すことができなかったけれど、今日はつらくて、我慢できなくて電話をしました。まだ、学校の先生には相談できそうもないけれど、今日話せたことでちょっとだけ勇気が出ました」
ほんの少しだけ明るい声で、電話は終わった。